膀胱癌

膀胱癌の検査

膀胱癌の診断には、まず【1. 尿検査】【2. レントゲン】【3. 画像検査】を行います。

1.尿検査
尿中にどのような細胞が出ているか、悪性(癌)細胞が出ていないかを調べます。患者さんには痛みを伴わない、基本的ですが大切な検査です。

2.膀胱鏡
膀胱の中を内視鏡で観察します。膀胱癌の診断には最も大切な検査です。尿の出口(尿道口)から内視鏡を挿入するため多少の痛みを伴いますが、当科では柔らかく細い内視鏡(軟性膀胱鏡)を使用しており、痛みは軽く済みます。

3.CT・MRI
膀胱癌が発見された場合、さらにCT、MRIで膀胱癌の進行度、転移の有無などを確認します。そのほか、胸部レントゲン、シンチグラフィー、PET-CTなどの検査を行う場合がありますが、すべての検査は膀胱癌がどの程度進行しているか等、治療方針の決定のために行います。

膀胱癌のタイプ

膀胱癌には大きく分けて2つのタイプがあります。
筋層に達していない【筋層非浸潤性(表在性)】【筋層浸潤性】に大別され、両者の鑑別が治療において決定的に重要です。

1. 筋層非浸潤性(表在性)膀胱がん
筋層非浸潤性膀胱がんにおいては内視鏡を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)で治療することができます。
しかし、治った後に半数以上の患者さんで膀胱内に新たな腫瘍が発生し、その一部は筋層浸潤性に進展するという問題があります。このため手術後に再発予防を目的とした膀胱内注入療法を行います。注入には抗がん剤やBCG製剤を用いますが、どの薬剤を選ぶかは、個々の患者さんの病気の状態に応じて決定されます。膀胱内注入療法を行っても再発が完全になくなるわけではありません。再発腫瘍を早く発見するために、外来で定期的な膀胱鏡を行う必要があります。

2. 筋層浸潤性膀胱がん
筋層浸潤性膀胱がんに対する標準的治療は膀胱全摘術です。同時に、腎臓で作られた尿の出口を変える尿路変向術を行います。尿路変向術には尿をためる袋をお腹に張るタイプから袋を必要とせず自排尿が可能なタイプまでがあります。しかし、全摘術以外の方法で膀胱を残したいという希望を持つ患者さんも少なくありません。当院では開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援腹腔鏡下手術を行っています。
一方、膀胱全摘に耐えられない方を対象に、浸潤性膀胱がんであっても、後述のような条件をもとに治療に適応があると判断された場合には抗がん剤と放射線を併用することによって膀胱をとらずに治療することがあります。(膀胱温存療法と呼んでいます。)

■膀胱温存療法
膀胱温存療法に適した腫瘍は、腫瘍数が1つで大きさが3cm以下のものです。腫瘍の数が多い、あるいは大きい場合、膀胱を残せる可能性は低くなります。

筑波大学泌尿器科で行っている膀胱温存療法の流れは以下の通りです。

1)経尿道的膀胱腫瘍切除(TURBT)で腫瘍を可能な限り切除します。

2)動注化学療法を3週間毎に3回行い、同時期に膀胱を含めた小骨盤部へX線を照射します。(動注化学療法が難しい場合には週1回、5週間の静注化学療法を用います。)

3)腫瘍部位のTURBTを再度行い、顕微鏡検査で腫瘍の残存を認めなければ、腫瘍部位にX線または陽子線を追加照射して膀胱を温存します。もし腫瘍の残存があれば膀胱全摘術を行う必要があります。

筑波大学泌尿器科では1995年より150例以上の膀胱温存療法を行ってきました。約8割の患者さんでは実際に膀胱を温存することができ、そのうち約8割の方は5年生存が得られています(全摘と同じ成績です)。

また、抗癌剤の使用が難しい方、これまでの方法では治せなかった病状の方に対して、世界でもまだ始まったばかりである免疫チェックポイント阻害薬を用いた膀胱温存療法を計画し、筑波大学泌尿器科主導で2019年1月より医師主導治験を実施しています(2020年12月まで)。 

転移性膀胱癌

他の臓器や膀胱から遠いリンパ節に転移がある場合は、残念ながら手術や膀胱温存治療では完治できません。その場合は全身化学療法(抗がん剤治療(GC療法))を行います。効果が乏しい場合は免疫チェックポイント阻薬(キイトルーダ®)を用いて治療します。

治験(臨床試験)

また、当院では新規薬剤開発のための治験(臨床試験)に多数参加しております。現在の保険診療では治療できない場合は、時期や病気の状況など、条件によって新たな治療が受けられることがあるので、一度ご相談ください。

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